辞めなかった①
辞めなかった。仕事を。
いや、まだ辞めるかもしれない。
だけどこんなわたしにも引き留めてくれる人がいたわけです。
男性恐怖が最近増していて、仕事に支障が出始めていた。上司は男性、事前に事情は話していたけれど、多分、そこまでとは思っていない。一応気にはしてくれているみたいで、面談の度にわたしの表面上だけを見て「成長しているね」と。それがプレッシャーでもあり、もう言い出せなくなっていた。
上司にも相談できない、だけどこれ以上男性恐怖を悪化させたくない、もう壊れた自分になりたくない。
ああ、辞めるしかない。
確かに、そう思った。辞めずに済むならそれがいいのだけれど。
ただ辞める選択肢しかなかった。わたしにとって男性恐怖が良くも悪くも中心であり、それが理解されるところでしか働けない。このことで今まで傷ついてきたのに、これ以上傷つきたくない。理解してくれとは思ってないが、否定しないでほしい。ただそれだけ。
男性恐怖症、と医師に言われても自分の口からそれを語ることはできなくて。男性が苦手という表現しかできなくて。語弊があると分かっていながらもそんなふうにしか言えず、捻れて伝わってお互いに良い結果にはならない。
もう苦しくて息ができなくなってきた頃、初めて同僚のお姉さん(Aさん)に打ち明けた。なんとなく、分かってくれると思ったから。